『かけがえのないもの』

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ある夜、父親は長い一日を終え
 
仕事から帰ってくると、
 
息子が起きて待っていた。
 
 
「ねぇねぇお父さん
 
 ちょっと聞いてもいい?」
 
 
「どうしたんだい?」
 
 
「お父さんの時給って
 

 いくらだっけ?」
 
 
「何でそんなことを聞くんだい?
 
 そんなこと子どもは知らなくて
 

 いいんだよ。」
 
 
「何でもいいから知りたいんだ。
 
 ね~いいじゃん,教えてよ。」
 
 
「そんなに言うなら仕方ないな…。
 
 時給一万円だよ。」
 
 
「え?!そんな高いんだ…!
 
 …お父さん,五千円だけ
 
 借りてもいい?」
 
 
「もしくだらないおもちゃや
 
 どうでもいい物のために
 

 借りたいのなら、今すぐ自分の
 

 部屋に戻りなさい!
 
 もう遅いから、寝る前にベッドで
 

 何でそんなわがままが言えるのか
 
 反省しなさい。
 
 お父さんは子どものわがままの
 

 ために一生懸命働いてるんじゃ
 
 ないんだよ。」
 
 
息子はうなだれながら
 
静かに自分の部屋に戻り,
 
ドアを閉めた。
 
父親はソファに座ったが、
 
込み上げてくる怒りは増していった。
 
(お金を借りるためにあんな質問
 

 するなんて、一体あいつは何を
 
 考えているんだ。)
 
 
しかし1時間ほど経ち、
 
父親も落ち着いて考えてみた。
 
(もしかしたら、どうしても必要な
 

 ものを買うために、あの五千円が
 
 必要だったのかもな…。
 
 こんな風にお金を借りることなんて
 

 滅多にないし。)
 
父親は息子の部屋に行き、
 
そっとドアを開けた。
 
 
「もう寝たかい?」
 
 
「ううん。まだ起きてるよ。」
 
「ちょっと考えてたんだが、
 
 さっきは辛くあたりすぎてゴメンな。
 
 長い一日だったし、イライラを
 
 ぶつけてしまったようだ。
 
 ほら、五千円あげるよ。」
 
 
息子は興奮した面持ちで座り直し
 
笑顔でこう言った。
 
 
「お父さんありがとう!!」
 
 
そして枕の下からガサゴソと
 

クシャクシャになったお金を
 
引っ張り出した。
 
父親は,息子が既に金を持って
 

いたことを目の当たりにし、
 
また怒りが込み上げてきた。
 
 
「既に沢山お金を持っているじゃ
 
 ないか。何でさらにお金を借りる
 
 必要があったんだ!?」
 
 
息子はゆっくりとお金を数え、
 
父親を見上げた。
 
 
「だって足りなかったんだもん。
 
 でも今はもう足りてるよ!
 
 お父さん、ここに一万円あるから、
 
 お父さんから1時間買ってもいい?
 
 そしたら明日早く帰ってきて
 

 一緒にご飯が食べれるから。」
 
 
父親は愕然とし、
 
息子を優しく抱きしめ、
 
 
「ゴメンな、ゴメンな」
 
 
と繰り返し謝った。

01
 
これは働き尽くめの人たちに対して
 

大切なことを気付かせる話です。
 

時間は限られており、私たちは
 

その貴重な時間を、自分にとって
 

大切な人と過ごすべきなのです。
 
もしあなたが明日死んでしまったら
 
会社はすぐに替わりとなる人を
 
見つけるでしょう。
 
しかし、家族や友人にとって
 

あなたという人の替わりは
 

いないのです。
 
考えてみれば、私たちは仕事に
 

時間を費やしすぎていて、
 
家族と過ごす時間が希薄になって
 

しまっているのかもしれません。
 
自分にとって本当に大切なことを
 
忘れないようにしたいですね。

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