これは、カリフォルニア州に住むスカーレット・ティプトンちゃんとそのお母さんの愛情あふれるお話しです。

スカーレットちゃんは生まれてきたとき、左腕が右手の3倍くらいの太さがありました。

なぜこんなに太いのか、その原因を調べるためにいくつもの病院や専門家のところを訪れ、生まれて間もないスカーレットちゃんは辛い検査も受けたりしました。

はっきりした原因がわからないまま5か月が過ぎた頃、これがとても珍しいタイプの癌であることが判明したのです。

癌であることが分かると、すぐに癌に対する治療を始めました。数か月にわたる化学療法を行いましたが、癌をすべて取り除くことはできませんでした。取り除けなかった癌細胞が他の部位や骨へ転移するのを避けるため、左腕を切断するしかないという結論に至りました。

左腕を切断、そのことを告げられた母親のシモーヌ・ティプトンさんは当時のことを次のように語っています。

「私たちが医師から告げられたのは、左腕を切断しなければ余命は1年程度だろう。切断して根治するか、切断せずに残り1年程度になるだろう時間を一緒に過ごすか、どちらかを選択するという残酷な決断を迫られました」

母親のシモーヌさんは左腕を失ってでも生きていて欲しいと思い、切断することを決意しました。こうしてスカーレットちゃんは生まれてわずか10か月という幼さで、左腕を切断という大手術をすることになったのです。

切除は腕だけでなく、肩、肩甲骨、脇腹にかけてと広範囲にわたり、大きくえぐられたところは医療用のシリコンや彼女自身の太ももの皮膚を移植するなどして覆いました。

その後もスカーレットちゃんは小さな体で21回の手術、5か月間の化学療法、さらには1年間の理学療法を耐え抜きました。

そんなスカーレットちゃん自身は、左腕がないという現実を受け入れているということです。

それがよくわかるのが、次の言葉ではないでしょうか。

「私は腕が2本あった時は病気だったの。でも今は1本だから、病気じゃないのよ」

自分の腕のことを聞かれたときにスカーレットちゃんが答えた言葉です。

シモーヌさんは「彼女は人との違いを恐れない、素晴らしいスピリッツの持ち主なんです。」とスカーレットちゃんのことを誇らしげに語ります。




スカーレットちゃんが2歳になるハロウィンの時期、世間も準備で盛り上がりを見せていました。シモーヌさんもスカーレットちゃんに合った衣装をと考えていました。「彼女と一緒に仮装してハロウィンを楽しみたい、腕が片方なくても大丈夫な仮装は何かないかと考えていました。」しかし、どんな仮装が良いのか、なかなか良いアイデアが浮かばずにいました。

そんな中、一緒に行った衣装の店で、スカーレットちゃんがスケルトンの衣装に興味を示しているのを見て、シモーヌさんはひらめきました。

何本かのプラスチック製の骨を買ってきて作ったのは「スケルトンの左腕」でした。

ハロウィン当日、落としてしまった左腕の骨を拾って、うれしそうに持って歩いている“スカーレット・スケルトン”。

1本の腕のスカーレットちゃんだからこそできる仮装です!

ハロウィンが終わっても持ち歩くほど、スカーレットちゃんはこの骨をお気に入りで、シモーヌさんのアイデアは大成功でした。

今年のハロウィンは、スカーレットちゃんが怖い仮装が好きということで、シモーヌさんが用意したのは真っ黒い、大きな羽。

母親のシモーヌさんはこう語ります。「スカーレットが左腕の切断手術をしたのは初めてのハロウィン前日だったのです。切断して癌を取り除いたことで今、こうして生きているのです。…なので、私たち家族にとって、ハロウィンは特別なイベントなんです。」

さらにシモーヌさんは続けます。

「スカーレットはハロウィンが大好きで毎年楽しみにしています。だからこそ私は、彼女が大好きなハロウィンの仮装を通して、自分自身を肯定し、愛することができるように手助けをしたいと思っています」

そんな前向きに生きるスカーレットちゃんですが、今でも切断手術のあとの戦いは続いています。昨年には切断手術時に埋め込んだシリコンを取り除く大きな手術をしました。無事手術は成功しましたが、まだまだこれからも戦いは続きます。

左腕切断で癌を取り除いたとはいえ、原因が分かっていない難病のため、有効な治療法もまだ発見されておらず、再発の可能性があるなど、今後も不安はなくなりません。

ここでも紹介した、スカーレットちゃんを支援するFacebookでは、彼女の日々を見ることができる他、彼女への支援も受け付けていますので、これからも見守り続けていってください。。

出典元:spotlight-media