『本当のお母さん』

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画像引用元:lukelike.blogspot.com

 
 
俺を生んでくれた母親は俺が2歳の頃に死んだ。
 
後の親父の話では元々、体が丈夫な人じゃなかったらしい。
 
俺が6歳の頃に親父が再婚して義母がやってきた。
 
 
ある日、親父が「今日からこの人がお前のお母さんだ」といって連れてきた。
 
新しい母親は俺を本当の子供のように可愛がってくれた。
 
家族とか血縁とかまだ分からない頃の俺にとって義母が本当の母親だった。
 
それから、何年か経ち俺が中学の頃、今度は親父が事故で帰らぬ人となった。
 
親父の葬式の席で親族が集まりこれからの俺たち家族の事で話し合うことになった。
 
親父の両親(俺から見て祖父母)は既に無く親戚づきあいも疎遠で葬式には親父の親族は誰も来なかった。
 
 
後から知った事だが親父はガキの頃に両親を亡くし親戚中をたらい回しにされおまけにひどい扱われようだったらしい。
 
そんな事もあり自分が大人になって働き出してからは一切、縁を切っていたらしい。
 
まあ、そんな状況もあり今後の俺たち親子の事を生母、義母側双方で話をする事になった。
 
元々義母の両親は義母と親父との結婚に反対していた。
 
まぁ親としては娘の結婚相手にコブ付きだとやっかむの当然かもしれない。
 
 
また生みの母の両親は、まだ若い義母の事を考えて俺を引きと取ると言い出した。
 
双方の親の利害が一致して俺は生母の家に引き取られると決まりかけた時、それまで双方の話を聞くだけだった義母が口を開いた。
 
 
「この子は私の子です。

 例え血が繋がって無くても

 私の子供です!」
 
 
「お願いですから、この子は

 私に任せてください。」
 
 
物腰の柔らかい義母が珍しく語気を荒げていた。
 
出会ってからはじめて見たそんな義母の姿に俺は驚きを覚えた。
 
最初は難癖を付けていた双方の両親も最後には義母に折れる形となり、俺は義母と二人で生活することになった。

稼ぎ頭の親父が死んで義母は必死で働いた。
 
受験で大変な時期の俺を育てる為に必死で働いてくれた。
 
高校3年の時、俺は家の事情もあり進路は就職すると決めていた。
 
 
しかし、その話を聞いた義母は「大学に行きなさい。」と言った。
 
 
「お金は母さんが何とかする

 からあんたは大学に行きなさい。」
 
 
なんで、実の息子でも無いのにそんなに俺に一生懸命なんだろう?
 
俺は半ば呆れながらそんな義母の言葉が嬉しくて思わず泣いてしまった。
 
 
そんな義母の言葉に背を押され少し遅れて受験勉強。
 
家の事情を考えると浪人は出来ないし、そんな事で義母を落胆させたくなかった。
 
元々、勉強は出来るほうじゃないので入れた大学も大した大学じゃなかったが、それでも合格と聞いた義母の涙混じりの笑顔は今でも忘れられない。
 
 
大学に入ったが俺は生活費分ぐらい自分で何とかしようと決めていた。
 
高校の時もそうだがアルバイト三昧の日々で良く留年しなかったものだと今でも不思議に思う。
 
大学も何とか無事に四年で卒業が出来、就職も決まり俺は晴れて社会人になった。
 
最初の初任給で義母にプレゼントを買った。
 
さすがに俺のプレゼント(たいしたもんじゃないけど)には参ったのか

「ありがとう、ありがとう」

と言いながら泣く姿に俺も思わず貰い泣き。
 
ほんと、感謝しなきゃならないのは俺の方です。
 
 
それからは二人でつつがなく暮らしていたが、俺も30の手前で結婚したい相手が出来た。
 
最初は俺の結婚を義母がどう思うかと思っていたが大喜びで歓迎してくれた。
 
「あんたもこれで一人前だね」と言われて照れくさいやら恥ずかしいやら。
 
 
最初は一緒に暮らそうと言ったが「お嫁さんに悪いから母さんはここで暮らすよ」と断られる。
 
いやいや、かみさんも賛成してくれてるんだけど...。
 
何度か話はするもののの結局、離れて暮らすことに。でも、結婚して一年経って義母が倒れた。
 
幸い大事に至らなかったが、今後、同じ事が有ってもいけないと思い、断っている所を半ば強引に同居することに。
 
 
その間、孫の顔も見せることが出来たしかみさんとも上手くやってるしで本当に幸せそうだった。
 
でも先月、その義母が他界。くも膜下出血であっけなく死んでしまった。
 
通夜の席でかみさんが義母の話をしてくれた。
 
正直、この年になるまで義母のそれまでの人生を聞いたことが無かった。
 
かみさんは義母から色々、聞いていたらしい。
 
義母は親父と結婚する前に子供が生めない体だったらしい。
 
 
最初はそんな事もあり結婚を断っていたそうだが、親父はそんな事情を承知で
 
「俺たちには子供がいる

 じゃないか、

 俺の息子の母親に

 なってくれないか?」
 
 
の言葉に義母は涙ながらに承諾。
 
 
親父も人前も憚らず泣いていたそうで。
 
義母曰く

「あんなみっともない

プロポーズは無かったけど

嬉しかった」

との事。
 
その話を聞いて俺はやっと理解できた。そして言葉にならなずに涙だけが溢れて仕方が無かった。
 
今までかなり泣いたけど息が苦しくなるほど泣いたのは初めてだった。
 
 
ぶっきらぼうな親父の優しさもそうだが、親父のプロポーズを最後まで純粋に受け入れた義母に言葉に出来ない思いがこみ上げてきた。
 
かみさんもそれ聞いた時は涙が止まらなかったそうで俺に話しながらまた号泣。
 
子供たちも泣いてる俺たちを見てつられて泣き出す始末。
 
義母いや、母さん、血は繋がってないけど貴方は俺にとって本当の母さんです。
 
生みの母には悪いけど、俺にとって貴方以上の母はいません。
 
 
親父、そっちで会ったら誉めてやってください。貴方が選んだ人はとても素晴らしい人でした。
 
最後に母さん、もし生まれ変われるならまた貴方の子供に生まれたい。
 
今度は貴方の本当の子供に生まれ変わりたいです。
 
突然に逝ってしまって改まって感謝することが出来なかったけど、本当にありがとう。

出典元:blogmura.com

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生みの親より育ての親

という言葉もありますが

ここまで愛情をこめて育ててくれる

親って本当に有難いと思います。

熱いものがこみあげてきました><

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