「人間の体の部位で刺激を与えると6倍の大きさになるものは?」

一見真面目に考えようとすると「ん?」と返しに困ってしまう人も多いこの質問。
これはジョーク(いじわる問題)のようなもので、ジョークはユーモアに溢れ、時に人を笑わせたり、「うまい返しだなあ~」と納得してしまったり愉快な気持ちにさせてくれますよね。

このエピソードはロシアの在プラハ・ソビエト学校で、学校の先生が生徒に対して行った質問なのですが、もしあなたが教室で先生にこの質問の答えを求められたらどう答えますか?
「できれば当てられなくないなぁ…」なんて本音が聞こえてきそうです。笑

先生はあえて気取った少女を指名し答えを求めました。
少女は一体何と答えたのでしょうか?

在プラハ・ソビエト学校は、ロシアの中でも特権階級のための特別な学校で、生徒たちも高級そうな服を着てくるような学校でした。当時、この学校に男性教員はほとんどおらず、美人でオシャレな独身の女性教員ばかりだったそうです。

そんな学校で、植物学・動物学・生物学・人体解剖学を担当していたマリヤ先生は60代の年配の独身女性で真面目で厳しい教師でした。
マリヤ先生の授業スタイルは生徒との問答形式。

ある日マリヤ先生は、生徒たちにこんな質問をします。

「人間の体の部位で、刺激を与えると6倍もの大きさになるものは?」

先生はあえて生徒の中でもちょっと気取ったモスコースカヤという女の子を指名しました。

彼女は、恥ずかしそうにもじもじしながら「嫌です。私、そんな恥ずかしい質問に答えられません。お爺様からもお母様からもそんなハシタナイことは考えてはいけないと言われています。」と答えました。

すると周りの生徒はクスクス笑い出したそうです。

生徒たちがクスクス笑っている中、クラスでもクールなヤスミンカだけは笑っていませんでした。そこでマリヤ先生はヤスミンカを指名します。
すると…

「瞳です。」と答えました。
確かにヤスミンカの回答は正解で暗いところから明るいところに置かれた瞳孔は6倍に膨張するのですが
これに対してマリヤ先生の反応は…?

マリヤ先生は「ハシタナイ事」と言い答えなかったモスコースカヤに対して

“はっきりしたのは、あなたはちゃんと宿題をやってこなかったっていうこと。
2つ目はとても厳格なお爺様のもとで育てられた割にはおつむの中はそれにふさわしくない事。
そして3つ目は…”

と3つ目を言おうとして口ごもってしまいました。

マリヤ先生が口ごもってしまった時、クールなヤスミンカが話し出します。

“「あくまで私の想像なんですが、先生がおっしゃりたかったのは、次のようなことではありませんか?」”

と切り出し、

「3つ目は、もし本当に彼女がそう思っているのなら、がっかりすることになるでしょう。」

と言ったのです。
すると、生徒だけでなくマリヤ先生も顔を真っ赤にしながら、笑い転げたそうです。

これは、ロシア語同意通訳者・エッセイスト・ノンフィクション作家・小説家でもある米原万里さんの小説「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」のなかの一節で「白い都のヤスミンカ」に書かれている文章です。

ジョークは人を笑わせるという面だけでなく、時に相手の考え方や発想まで引き出してしまうことがあるようですね。くれぐれも注意したいものです。

出典元:academic-box