7月6日に東京藝術劇場シアターウエストで初日を迎えた寺島しのぶさん主演の舞台「アザー・デザート・シティーズ」の公演中、演技ではない寺島さんの悲痛な叫び声が上がりました。
事故が起きたのです、第1幕の終盤。娘役の寺島さんとの大喧嘩の後、父親役の中嶋しゅうさんが言い負かされて立ち上がる場面で、意識を失って舞台から75センチ下の客席に落ちてしまったのです。

余りに突然の出来事に客席は騒然としました。反応がない中嶋さんを見て寺島さんは舞台監督に中止を指示「お客様のなかでお医者さまはいらっしゃいますか?」と客席に呼びかけました。偶然にも医師が見に来ており、人工呼吸と心臓マッサージが行われました。共演者やスタッフは回りを取り囲み「しゅうさん!」と呼びかけましたが、意識が戻ることはありませんでした。

演劇関係者は「目前の事故に寺島さんは相当大きなショックを受けていました。中嶋さんは寺島さんにとって、父親のような存在だったんです」と語った。

寺島さんは中嶋さんと公私にわたって話をする仲でした。寺島さんの悲しみを深くしたのは単に中嶋さんが亡くなったからだけではありません。

「13年前に「楡の木陰の欲望」の夫婦役で共演した際、中嶋さんは事実婚を25年も続けていた鷲尾真知子さんと籍を入れたばかりでした。結婚理由を『生命保険の受取人に困るから』と説明していたのを、寺島さんはニコニコして聞いていました。中嶋さんには寺島さんは話しやす
かったんでしょう、寺島さんの話を中嶋さんが『うん、うん』と聞いている姿をよく見ました。」(前出・演劇関係者)

中嶋さんが倒れたとき、妻の鷲尾さんは舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』の稽古が明治座で終わった直後でした。

「劇場からタクシーで直接病院に向かいましたが、死に目には間に合わなかったそうです。それでも、翌日の初日舞台には立たれました」(演劇関係者)

病院には共演者も詰めかけました。中嶋さんが亡くなったと分かったとき寺島さんは「どうして」と号泣。
「親しい人が死ぬのは、もういや」と漏らしたそうです。寺島さんは親交のあった小林麻央さんも2週間前に見送ったばかりでした。小林麻央さんが最後に見た舞台は寺島さんと海老蔵さんが共演した「座頭市」でした。

女優として大成した寺島さんのことを心から喜んでいた中嶋しゅうさん、舞台関係者やファンからは、その死を悼む声が止みません。

出典元:excite